一般的に、点滴から経口抗菌薬の使用を促すことで、コスト削減や入院期間の短縮をさせることができるといわれている。
しかし、病原微生物と対象臓器を対象に考えれば良かった点滴抗菌薬から、経口抗菌薬へ切り替える際には、もう1つ大きなチェックポイントとして、
【バイオアベイラビリティ】
を考えなければならない。
バイオアベイラビリティ【BioAvailability】BA
投与された薬物(製剤)が、どれだけ全身循環血中に到達し作用するかの指標。
生物学的利用率と生物学的利用速度で表される。
静脈内投与では、投与された薬物はほぼ100%生体で利用されるが、経口投与など他の経路で投与された薬物は、消化管からの吸収効率、肝臓・消化管での代謝(初回通過効果)の影響を受けるため、循環血液中にすべてが到達するわけではない。
そのため、それぞれのバイオアベイラビリティをしっかり把握しておく必要がある。
サンフォードを参考に代表的な薬剤の一覧
オーグメンチン 80/30-98%
●セフェム系 ケフレックス 90%
ケフラール 93%
セフゾン 25%
メイアクト 16%
●キノロン系 シプロキサン 70%
クラビット 99%
ダラシン 90%
●その他 ザイボックス 100%
バクタ 80%
これを見たら分かるように、8割が合格ラインとすると完璧なものもあるし、赤点のものもある。経口第3世代セフェムは赤点の代表格といえる。
DAIGOを習い、我々は赤点の経口抗菌薬を『DU薬』という。
なぜDUかは検索していただくとおわかりいただけるだろう。
BAを意識し、DU薬を使用しないように心がけたい。