COPD治療に使用されるkey drugの代表格といえば、LAMA(Long Acting Muscarinic Antagonist(長時間作用型抗コリン薬))
COPD治療には、重症度分類において、LAMA+LABAやICS+LABA+LAMA等が使用される。
重症度分類A群では、症状に応じて、SABA,SAMA、LABA,LAMAの単剤が用いられる。
重症度分類B群では、LAMAかLABAの定期吸入
効果不十分時は併用
症状が強い場合も最初から併用
重症度分類C群では、LAMAを優先的に使用
(LABAよりもLAMAの方が急性増悪予防効果が良好)
急性増悪の抑制が不十分な場合は、LABA+LAMA、ICS+LABAの併用
重症度分類D群は、ICS+LABAよえいもLAMA+LABAの併用から
LAMA+LABAで急性増悪の抑制が不十分な場合、ICS+LAMA+LABAへの変更を試す
ICS+LAMA+LABAで安定していれば、ICSの減量、中止を考慮
これが一般的治療
これ見ても分かるように、まずはLAMAの出番が多い。
しかし、LAMAが使用できない場合がある。
それは、いわゆる抗コリン作用により他の疾患が増悪する可能性がある患者
【抗コリン薬】
副交感神経終末から分泌される伝達物質アセチルコリンが、ムスカリン受容体に結合した後、血漿のコリンエステラーゼにより分解される。ムスカリン受容体には3種類のサブタイプがあり、M1受容体(胃や脳)、M2受容体(心臓)、M3受容体(平滑筋や腺)に存在している。抗コリン薬はムスカリン受容体を遮断して作用を示す。
そのことで、口渇、便秘、尿閉、せん妄、排尿障害(尿閉)、視力障害(眼圧上昇、散瞳、緑内障等)、麻痺性イレウス(腸閉塞)、心悸亢進(頻脈)等がある。
よって、
#閉塞隅角緑内障
#下部尿路閉塞等(前立腺肥大など)
#重症筋無力症
の患者には禁忌となっている。
そのため、これらの患者がheavy smokerであった場合には注意が必要。
COPD患者さんで、呼吸苦の増悪で来院。
→LAMA未導入の場合、導入を検討したい
その際に、
緑内障の問診(視野異常や近親者の家族歴等)
前立腺肥大症の問診(排尿困難、頻尿等)
を少なくとも確認したい。
また、これらの問診が問題なくても、開始後に視症状や尿閉などの症状を生じる可能性があり、開始後にも要注意となる。
※COPD症例にICS(ステロイド)使用した場合の注意点として、肺炎の高率合併問題があるのにも注意!
LAMA