離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

とある医師会病院 看護部長の診療看護師活用に関する考え方

ある医師会病院に勤めていた際に、診療看護師として苦悩した。

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今回は、その内の一部を公表してみる。

 

当時の看護部長のビジョン―――

医師1人当たりの患者数が多い診療科にNPを

 

どこにNPを配属するか。。

管理者であれば、これをまず第一に考えるだろう。

 

そして、

患者が多く外来も遅い時間までしている診療科

患者が多くても医師が多くいつも18時には帰る診療科

あれば、前者に置きたいと考えるだろう。

(ここでは医師側の意見は割愛しているが、医師会病院の医局とはいえ現場のスタッフはNP welcomeだった。)

 

      患者数  

    各診療科医師数  = 医師1人当たりの医師数

 

この方程式から考えると、当時、primary careを学ぶために希望していた総合診療科は医師数が多く患者数が少なく、NPの必要性はなし。

そして、これとは反対に、医師数が少なく患者数が多かったのが形成外科だったため、形成外科で病棟業務の傍ら、デブリードマンやNPWT、外来処置に携われることとなった。

 

実際は、病棟業務が多忙で、NPとしては月2日、それぞれ2時間程度しか形成外科医から指導は受けることはできず、デブリードマンやNPWTも年間5件以下程度に留まった。

 

この状況を見た他科外科医から、

医師1人当たりの患者数でNPを考えるのはおかしい。

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仮に医師1人で患者を多く抱えていれば、この方程式上NP配属先の有力候補となるのだが、その外科医からすると、医師が少ない状況で満足した指導はできないし、医師が多くいた方が、患者は少なくても複数の医師の考え方を共有することができ、指導する時間も設けることができるのでは。と。

 

確かにこの考え方も一理ある。。

いや、この考えの方が現場に合ってる?

 

NP導入を考えている病院で卒後研修や所属先を悩むのはどの施設も同じだろう。

でも、実際はそれだけでなく、給与体制、夜勤対応可否、7:1、医師側の抵抗、もちろんNP個人の個性など、様々なハードルがある。

これらは、長期的にその施設に勤めることで信頼関係が他職種に拡がり、努力も認められ、勝ち取れる部分も多くあるとは思うが、NPを取得後同期がメキメキ力をつけているのを横目に、地道に努力をしていくのは辛い。

それに、先輩達が切り開いていただいたお陰で、NP誕生10年の現在は、NPの噂を聞きつけ必要としてくれる選択肢もあり、いつまでも油を売ってられない。

 

そう考えているNPも多いのでは?

 

少なくとも、研修医制度のように、NPの卒後研修に関しては、ある程度学会や協議会からガイドライン的なものを公表してもらいたいと心から願う今日この頃。

 

 

話を戻すと、外科医の看護部長への提言もむなしく、看護師の離職者多数で7:1が確保できないことから、病棟業務をこなす毎日が続き、結局2年で辞めました。

 

巷のNP離職率高い問題に拍車をかけてしまいました。申し訳ありません。

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