離島と都会を行き来する診療看護師のブログ

primary care NPとして離島での道を開拓する

PREVENA プレベナーじゃなくてプリビーナ♥

3M+KCI VAC-ULTAに次ぐ最新陰圧閉鎖療法

PREVENA

2021年3月1日に、保険収載された医療機器

 

★切開創管理システムを用いてSSI(surgical site infection)の発生を低減

3MHPから引用

 

 

PREVENA® 切開創管理システムによる予防的治療

Acelity Launches Prevena Plus Incision Management System - Medical Design  and Outsourcing

手術切開部閉鎖に対する陰圧閉鎖療法ciNPT(closed incision Negative Pressure Therapy)の主な効果

  1. 陰圧125㎜Hgの付加を7日間持続
  2. 創縁の引寄せと切開部の安定化
  3. 滲出液と感染源を除去
  4. 外部汚染源の防御
  5. 縫合糸/ステープルによる閉鎖創を保護し、外側への張力を減張

 

PICOと同様、単回使用

PREVENA® 型陰圧維持管理装置は、13cmと20cmの専用のドレッシング材

PREVENA® PLUS型陰圧維持管理装置は、任意の長さのドレッシング材用で、充電タイプ

期間が終了すると、自動的に電源が切れ終了する

 

治療期間は、PREVENA8日間・PREVENA PLUS7日間

 

ではこれをどんな術後患者にPREVENAを使用すればいいか・・

適応 ◀ これが重要★

PREVENA® 切開創管理システム の保険算定のポイントから説明

① 「 切開創手術部位感染のリスクを低減させる目的」のみで薬事承認されている局所陰圧閉鎖処置用材料であることが必要です。 PREVENA® 切開創管理システム は、条件に該当しています。

② 2022年3月31日までは、手術医療機器等加算の「準用技術料」として算定します。 ● 特定保険医療材料ではなく、手術における技術料の加算(手術医療機器等加算)になります。

● 下記3つを合算して算定します。(合計 5,190点)

区分番号「K938」体外衝撃波消耗性電極加算(3,000点)

区分番号「J003」局所陰圧閉鎖処置「注1」初回加算(1,690点)

区分番号「J003」「注2」持続洗浄加算(500点)

● 体外衝撃波消耗性電極を使用していなくても算定できます。

 

CDC手術創クラスⅢ以上に相当する術後縫合創に対して使用することが必要です。

CDC手術創クラスとは・・・

wound classification

class1:清潔創

清潔創は、全く炎症のない非汚染創である。呼吸器、消化器、生殖器、感染のない尿路は含まれない。さらに、清潔創は一時的に閉創されたものであり、必要に応じて閉鎖式ドレナージによる排液が行われている。非穿通性(鈍的)外傷に対する手術の切開創は、この基準を満たせばこの創分類に含まれる。

 

class2:準清潔創

準清潔創は、気道・消化管・生殖管・尿路が制御された状態で開けられ、異常な汚染を伴わない手術の創である。具体的には、胆道・虫垂・膣・口腔の手術は、明らかな感染の証拠や手技の破綻が認められなければこの創分類に含まれる。

 

calss3:汚染創

汚染創は、開放創、新鮮創、偶発的創傷を含む。さらに、清潔操作に大きな破綻を生じた(例:開胸心臓マッサージ)あるいは消化管から大量に液の流出を生じた手術、急性非化膿性炎症を認める手術における切開創がこの創分類に含まれる。

 

class4:化膿創

化膿創あるいは感染創は、壊死組織の残存する陳旧性外傷、すでに存在する臨床的感染あるいは消化管穿孔を伴う創を含む。この定義は、術後感染を引き起こす病原体が術前よりすでに手術領域に存在していたことを示唆する。

 

④ 下記の入院管理料のいずれかを算定していることが必要です。

区分番号「A301」 特定集中治療室管理料

区分番号「A301-3」 脳卒中ケアユニット入院医療管理料

区分番号「A301-4」 小児特定集中治療室管理料

区分番号「A302」 新生児特定集中治療室管理料

区分番号「A303」 総合周産期特定集中治療室管理料

 

⑤ 上記③④を満たした上で、下記に該当するいずれかの患者に対して使用した場合に算定できます。

(イ) BMIが30 以上の肥満症の患者

(ロ) 糖尿病患者のうち、ヘモグロビンA1CHbA1C)がJDS値で6.6%以上(NGSP値で7.0%以上)の者

(ハ) ステロイド療法を受けている患者

(ニ) 慢性維持透析患者

(ホ) 免疫不全状態にある患者

(ヘ) 低栄養状態にある患者

(ト) 創傷治癒遅延をもたらす皮膚疾患もしくは皮膚の血流障害を有する患者

(チ) 手術の既往がある者に対して、同一部位に再手術を行う患者

 

もうおわかりだろうが、

③と④のハードルがかなり高い・・・

 

まとめると・・・

PREVENAを使用すると、手術切開部の創縁を引寄せ、縫合部にかかる張力を減張し、滲出液を管理できSSIを予防できるが、使用するなら大きな病院のICU加算を取ってるような施設において、術後の時点で創環境が悪く、患者背景からも創傷治癒が遅延しそうな人に使用するとのこと

 

使用上の注意

閉鎖した創部を清潔に保つため、手術閉鎖後直ちにドレッシングを貼付し、治療を開始する。

治療期間は、陰圧維持管理装置が自動的に治療を終了するまでとする。

 

 

以下参考資料

切開創SSIに対するNPWT機器の適正使用にかかる提言

一般社団法人 日本外科感染症学会

はじめに 手術部位感染(Surgical Site Infection:以下、 SSI)は頻度の高い医療関連感染の一つであり、手術治療が進歩した現在でも消化器外科系手 術等ではSSIが高率に発生しています。SSI発生率の低い他の診療科領域においても、特定の手術においては時に重篤化をきたし、再手術や 在院日数の延長といった患者負担を強いることがあります。 現在、米国及び欧州においては、SSIリスク低減を図る目的で陰圧創傷治療法(Negative Pressure Wound Therapy:以下、NPWT)が切開創に適用されています。世界保健機関が発行しているSSI予防のためのガイドライン*1 においても、切開創SSIに対して社会的資源に応じ た予防的NPWTが推奨されています。 今般、本邦において、縫合創に対するNPWT機器として、初めて販売名「PICO創傷治療システム」(スミス・アンド・ネフュー株式会 社)及び「PREVENA® 切開創管理システム 」(ケーシーアイ株式会社)が薬事承認されました。当該NPWT 機器の薬事承認上の使用目的 又は効果は、『手術部位感染(Surgical Site Infection: SSI)によるリスクの高い患者の縫合創に対して閉鎖環境を維持し、管理された陰圧を付加し滲出液を除去することで、SSIリスクを軽減することを目的とする。』とされております。これにより本邦においても、SSIリスクの高い縫合創へのNPWT機器が使用可能となりますが、NPWT機器の使用が不要と思われるSSIリスクの低い縫合創への使用は避けなけれ ばなりません。 そのため、当学会は適正使用の観点から、以下に掲げる関連学会のご協力の下、切開創SSIに対するNPWT機器が推奨される適応等につい て、提言として取りまとめました。

関連学会 

一般社団法人 日本形成外科学会

一般社団法人 日本消化器外科学会

一般社団法人 日本脳神経外科学会

一般社団法人 日本泌尿器科学会

公益社団法人 日本産科婦人科学会

公益社団法人 日本整形外科学会

特定非営利活動法人 日本胸部外科学会

特定非営利活動法人 日本血管外科学会

 

J003 局所陰圧閉鎖処置(入院)(1日につき)

1 100平方センチメートル未満 1,040点

2 100平方センチメートル以上200平方センチメートル未満 1,060点

3 200平方センチメートル以上 1,100点

注 1 初回の貼付に限り、1にあっては1,690点を、2にあっては2,650点を、3にあっては3,300点を、初回加算として、それぞれ所定点数に 加算する。

2 初回の貼付に限り、持続洗浄を併せて実施した場合は、持続洗浄加算として、500点を所定点数に加算する。 「診酬報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について (保医発0226第2号令和3年2月26日)

4 別添1の第2章第10 部第3節K938を次に改める。

(1) 消耗性電極とは、1回又は2回以上の使用により消耗し、交換が必要となる電極をいう。なお、この加算は一連の手術について1回の み算定する。

(2) 滲出液を持続的に除去し、切開創手術部位感染のリスクを低減させる目的のみで薬事承認されている局所陰圧閉鎖処置用材料を CDC手術創クラスⅢ以上に相当する術後縫合層に対して使用した場合は、区分番号「K938」体外衝撃波消耗性電極加算及び区分番号 「J003」局所陰圧閉鎖処置(入院)の「1」100 平方センチメートル未満の「注1」初回加算並びに「注2」持続洗浄加算を合算した点数 を準用して算定する。

ア 区分番号「A301」特定集中治療室管理料、区分番号「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料、区分番号「A301-4」小児特定 集中治療室管理料、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料を算定する 患者であって、次に掲げる患者に対して使用した場合に限り算定できる。その際、次に掲げる患者のいずれに該当するかを診療報酬明細 書の摘要欄に詳細に記載すること。

(イ) BMIが30 以上の肥満症の患者

(ロ) 糖尿病患者のうち、ヘモグロビンA1CHbA1C)がJDS値で6.6%以上(NGSP値で7.0%以上)の者

(ハ) ステロイド療法を受けている患者

(ニ) 慢性維持透析患者

(ホ) 免疫不全状態にある患者

(ヘ) 低栄養状態にある患者

(ト) 創傷治癒遅延をもたらす皮膚疾患もしくは皮膚の血流障害を有する患者

(チ) 手術の既往がある者に対して、同一部位に再手術を行う患者

イ ア以外の患者に対して使用する場合には、手術後の切開創手術部位感染のリスクを低減させる目的で使用する局所陰圧閉鎖処置に係 る費用はそれぞれの手術の所定点数に含まれる。

ウ 区分番号「K938」体外衝撃波消耗性電極加算の「注」に定める規定は適用しない。

 

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